先日、五輪招致の最終プレゼンテーションにて滝川クリステル氏により、「おもてなし」と言う言葉が全世界に公表されました。これで日本の客人の迎え方を、一つ世界に向けて発信したことになります。それ自体は非常に素晴らしい事ですね。オリンピック

ところで、その「おもてなし」と言う表現方法についてですが、私は「もてなし」で良いのではないか、と考えています。つまり、「お」を取り払ってしまった方が私にとっては自然なのです。

と言いますのも、「もてなし」と言う名詞に「お」を付けるのは、飽くまでも他人がしてくれた「もてなし」に敬意を表する意味ですること。簡単に例えると、「あなたのお父さん」と言う表現と変わりません。主語が「わたしの」になれば、「わたしの父」と言う表現になるのは、当たり前に知られていることですね。つまり主語が自分でありながら「おもてなし」と表現すると言うのは、「父」で例えたら「私のお父さん」と言っているのと何も変わらないのです。つまり、「おもてなし」と言う表現は、日本語の文法としてそもそもおかしいわけですね。

別に滝川クリステル氏に難癖を付けるつもりは全くありませんが、少なくとも何でも「おもてなし」と声高に叫びまくるマナー講師やアナウンサーの皆さん方には、疑問を感じざるを得ません。「正しい日本語を使え」「二重敬語を使うな」「謙譲語や尊敬語を使い分けろ」と言うわりに、「おもてなし」と言う単語を使う事でいきなり自分たちの言っている事と、真逆の行為をしてしまっているのですから。彼らがそういった間違いを広めることによって、徐々に文法がおかしくなってきています。

二重敬語が発生したり、新しい単語が生まれたり、もしくは単語の意味が徐々に変化していくのは飽くまでも時代の流れ。私はそれを受け入れるぐらいの気持ちはあるのですが、文法の変化と言うのは納得がいきません。と言うのも、単語は日本語が今まで経験してきた何千年という歴史によって進化してきましたが、文法については原則として変化しないものだからです。つまり、「おもてなし」に限って言えば、謙譲語の使い方が根本から変化してしまっているのです。

滝川クリステルこれからの7年間、日本はきっと良くなっていく事でしょう。7年後にはオリンピック、それまでに山ほどの経済が活性し、私達のサービス業や小売業、外食産業にもどんどんお金が落ちてくる筈です。そんな7年後に、私達はどれぐらい成長出来ているのでしょうか。

まずは根本的な文法の過ちを正すことを考えなくてはいけないと感じています。主語が自分もしくは自分の会社の時は、「おもてなし」ではなく、「もてなし」で十分なのです。それが謙譲語なのです。

現在、そういった「もてなし」の哲学について、本を執筆しています。出版元はWAVE出版、発売は12月の初旬、全国の書店を予定しております。その中には本物のもてなしの要素と、本物になるためのヒントを沢山ちりばめております。

同書は「誰にでも読みやすく、誰にとっても役に立つ」をコンセプトに書かせて頂いております。現場の接客者の皆さんはもちろん、接客指導を行う方々や管理者の方々、経営者の方々に至るまで幅広い皆様方のお役に立つ内容にしております。それぞれの立場で読んで頂ければ、それぞれの解釈が生まれるような仕掛けにもしております。発売されましたら、是非書店にてお求め頂ければ幸甚です。

小売・飲食・サービスなど「第三次産業」に所属する皆さん方は、是非この7年間、全力で働いて下さい。景気は「良くなる」のではなく「私達の手で良くする」ものなのです。誰かに任せていて景気が勝手に良くなる事など決して有りえません。

全力で働き、稼いだお金をしっかり使い、世の中のお金の循環を良くしましょう。そうすればオリンピック開催後、きっと皆さんの生活を豊かにする経済が皆さんの元に舞い降りてきます。

日本国は、経済をこれ以上公共投資に頼るべきではありません。むしろ私達第三次産業に所属する者達が、第三次産業の底力を見せるべきでしょう。その経験が子々孫々に語り継がれるほど、全力で働いてみましょう。

世の中は「良くなる」のではなく「良くする」ものです。