本日、新規顧問先にて、スタッフの皆さんに対するあいさつ代わりの研修でした。
多くのスタッフの皆さんが「接客講師が来る」と言う事で、起立してご挨拶の発声やお辞儀の角度を細々言われるだろうと思っていたようですが、見事にその期待(?)を裏切りました。何をしたかと言うと、チームで仕事をすると言うのがどういう事なのかについてお話ししたのです。特にその話題の中心になったのは、リーダーシップとは何かと言うこと。

リーダーシップとは通常、リーダーが発揮する物だと思われがちです。しかし本当のリーダーシップとは、チームのスタッフ達が演出する物。ある意味、スタッフ達の心の中に生じる「現象」や「概念」と考えた方が正確でしょう。

例えば新しいリーダーがチームにやってきたとします。あなたはいきなり彼(女)をリーダーとして認めるでしょうか?彼(女)が着任直後に突然「ああしろ!こうしろ!」と厳しい命令を下してきたとして、それに素直な気持ちで従えるでしょうか?ほとんどの人はNOだと思います。

いくらリーダーと言う肩書きを持っていても、スタッフ達がその人をリーダーとして認めない限り、リーダーシップは生まれないのです。上記の例はよく「任命されたリーダー」、つまり辞令によって異動し、新しい部署でリーダーになったばかりの人に起こる現象。任命されたリーダー以外にも、もう二つリーダーの種類があります。一つは「引き上げられたリーダー」、もう一つは「選ばれたリーダー」です。

引き上げられたリーダーとは読んで字のごとく、生え抜きリーダーのこと。チームの中でも際だった成果を出しているため、リーダーに相応しいと上司達が認め、リーダーとして任命される人の事を言います。このタイプのリーダーが執るリーダーシップとは、大体が「私に付いてきなさい」と言うパターン。

とあるイベントで全く未経験にも関わらず、ステージのマネジメントを任されました。様々なマネジメントを駆使した結果、1万人を遙かに超えるお客さんが来てくださり、素晴らしいボランティアイベントになりました。

とあるイベントで全く未経験にも関わらず、ステージのマネジメントを任されました。様々なマネジメントを駆使した結果、1万人を遙かに超えるお客さんが来てくださり、素晴らしいボランティアイベントになりました。

選ばれたリーダーとは、たとえば国政選挙で選ばれた首相のような、人々の投票や信任によって選出されたリーダーを指します。この手のリーダーは余程特殊でなければ信頼が厚く、人もついて行きやすいと言うのが特徴。なぜなら選ぶ側が自らの意志で「リーダーになって欲しい」と思っていたからです。

ですが、会社の中でリーダーになるパターンは、その殆どが最初の二つのいずれかでしょう。選ばれたリーダーは通常、企業の中で見る事は滅多にありません。当たり前とえいば当たり前ですよね、企業は民主主義組織では無いのですから。

任命されたリーダーはそういう意味で、引き上げられたリーダーに比べ、若干不利な立場にあります。と言うのもリーダーとしてスタッフ達に認めて貰えるよう、様々な努力をしなくてはいけないからです。

かく言う私自身も任命されたリーダーの立場を経験した事がありますが、スタッフ達に認めてもらう為にありとあらゆる努力を致しました。背中を見せるのは勿論、その仕事の大義を徹底的に理解してもらう為に何度となく全力のスピーチを繰り返し、様々な役割分担を考え、スタッフ達に自ら仕事を創造させました。そういった組織作りを行ったので、当然のことながら、いずれも素晴らしい結果を残すことに成功しています。

写真のボランティアイベントにおいてはボランティアスタッフ達の心の中に究極のリーダー像を描いて貰う仕掛けに成功。スタッフ達のあまりの働きの良さに、音響業者さんからは「あんたたち、本当にボランティアなのか?」とお褒めの言葉を頂戴しました。

ちなみに研修中の私は、その部屋の中での「任命されたリーダー」の立場。受講生達とは一時的な人間関係とは言え、やはり認めてもらう為に様々な工夫を凝らさなくてはいけません。でなくては、受講生達が私の言う事に全く耳を貸さず、研修に費用をかけてくださる企業様に大変申し訳ないことをしてしまいます。

イベント時のスナップショットです

イベント時に撮って頂いたスナップショットです

接客教育の仕事を引き受けているのに、私は遠慮無くこういった話を展開します。なぜそれをするかと言うと、根本的な標準を入れ替えるため。リーダーシップと言うのは、スタッフ達の心によって生まれてくるものだと言う考え方に気付いて貰い、リーダーシップの根本を理解して貰うためです。これが解っているのと解っていないのとでは、接客教育をする上でもそうですが、仕事の成果に天と地ほどの差が開きます。

リーダーシップとは、リーダーの独りよがりであってはいけないのです。その場に居合わせるスタッフ達全員の中の、「リーダーかくあるべし」と言う発想を一旦取り除き、「リーダーは我々が生み出すのだ」と言う発想に入れ替える必要があるのです。でなくては、任命されたリーダーは最高の仕事をすることは出来ません。

このようにして大前提を入れ替えてあげると、その後の教育は効果を発揮しやすくなります。例えOJTであっても、基本的に私達教育者が教育を施す対象は、ほぼ限定されてくるからです。それは勿論、リーダーです。

全員がリーダーをリーダーとして演出していく約束が出来上がっているので、教育者側はリーダーにのみしっかりとした教育を施せば、自動的にスタッフ達にもリーダーの振る舞いや言動が影響していくのです。

無論、それに足りないリーダーと言うのも存在します。その時は色々と方法を考えなくてはいけませんが、それはまた別の機会にお話ししようと思います。

リーダーシップとは、スタッフ達の心に生じる物。決してリーダーが独りよがりで生み出すものではないのです。