弊社の接客教育を受けると、多くの接客者達がぶつかる壁があります。それは、私が言っている事は解るのだが、それを実行しようとしてもなかなか出来ない、と言う壁です。なぜその壁にぶち当たってしまうのかと言うと、接客の標準レベルが全く違うからです。

弊社が指導する店舗のスタッフ達は、皆仲が良く、売上の奪い合いどころかお互いの売上のサポートをし合うほど。

弊社が指導する、とある店舗のスタッフ達は皆仲良し。売上の奪い合いどころかお互いの売上のサポートをしたり、一緒に遊びに行ったりします。

そんなに難しい事を求めているわけではありません。しかし接客者達は弊社が求める「あたりまえ」を全く経験していないどころか、それよりも遙かに低いレベルを「あたりまえ」にしているため、その“そんなの難しく無い事”が満足に出来ないのです。

それを矯正する意味でも、社内での接客ロールプレイング大会の開催は必要となります。人数がどれだけ少なくても、積極的に接客について考え、練習する機会を与えるのに、ロールプレイング大会は非常に効果的と言えます。ロールプレイング大会の審査を通じて、全員が「接客力とは一体何なのか」を改めて理解する機会を得られるのです。

審査には審査基準があります。その審査基準をしっかりと読みながら他の人の接客を見る事で、自分自身の接客がこれからどういった方向に向くべきなのかを、かなりしっかりと見つめ直すことが出来るようになるのです。とは言え、素人観点でロールプレイングの審査基準を作ってしまうと、それはそれで新たなる問題を発生させます。何かと言えば、接客に大きな間違いを生んでしまう可能性がある、と言う事。

過去、某女性芸人さんがカリスマ販売員の物真似で一躍有名になりました。あの物真似芸は、確かに良く出来ていて正直驚きました。アパレル販売員の悪いところやお客さんが鬱陶しいと思っている部分のみを上手に抽出し、一つのお笑い芸のストーリーにまとめ上げていたからです。私もあれが悪い例として反面教師になり、販売員達のレベルが少しでも向上すれば、と淡い期待を抱いていました。

もし現実にあの接客をやっているとするならば、お客さんからすれば極めて鬱陶しい限り。弊社の接客評価の基準から考えても、ほぼ0点に近い内容でした。しかしながら、あの芸を「接客の良い手本だ」として教育に使っているアパレルショップが存在する、と言う話を聞いたことがあります。つまりそのアパレルショップの接客標準は、弊社の接客標準と比較すると、いやむしろ比較の対象にならないほど低いレベルにある、と言う事でしょう。

大きな間違いが接客の標準になってしまうと、確実にお客さんには「鬱陶しい」と思われてしまいます。だから接客評価の基準を作ると言うのは細心の注意を払わなくてはいけませんし、弊社のような接客教育機関がしっかりと、「この接客はここが悪い」「この接客はここが良い」と言う事を伝えていかなくてはいけません。それをし続けることで、徐々に標準は入れ替わっていきます。

特に店長やチーフ達の接客標準が入れ替わると、スタッフ全員の標準が大幅にレベルアップします。そしてその良い方向に入れ替わった標準が、新入スタッフ教育の基本となるために、新入スタッフ達は最初から高いレベルで接客をすることが出来るようになるのです。

弊社では何よりも、そういった接客の標準を根本から入れ替えてしまうことを重視しています。標準を入れ替えると言うことは、つまり考え方や価値観を変えると言うこと。よりお客さんにとってお買い物のしやすい、飲食店であればより接客者に親しみを感じられる接客を創造していくための基本です。

弊社顧問先の中には、大阪梅田に複数店舗を構えるアパレル企業もあります。ここ2~3年で伊勢丹、ルクア、マルイ、グランフロント大阪がオープン、阪急百貨店と大丸も新装開店しました。売場面積で言えば、数年前の1.5倍以上の広さになっています。ですから多くの店舗が前年比を大きく割り、厳しい店舗では前年比5割と言うところもあるようです。

接客の標準レベルが高ければ高いほど、顧客ロイヤリティも当然高くなります

接客の標準レベルが高ければ高いほど、当然のことながら顧客ロイヤリティも高まっていきます。

しかしその企業は、最も厳しい店舗でも前年比7割程度。優秀な店舗に至っては前年比100%以上の店舗まで存在します。「厳しいです、キツいです」と言う店長に前年比を聞いてみると、なんと85%。もし上記のような開店ラッシュがなければ、前年比がどれだけ伸びているのか、まったく想像が付きません。それだけ新規オープンや新装開店に流されない、ロイヤリティの高い顧客が増えていると言う事です。

ロイヤリティの高いお客さんを増やすには、アイテムだけでは勝負になりません。むしろ接客の標準を劇的に変化させることこそ、真に顧客ロイヤリティを高める秘訣となります。

弊社が育てた接客者達の接客は、素人目に見たら何がどう違うのかはほとんど区別がつきません。ですがその接客を受ければ、確実に大きな違いを感じることが出来ます。明らかに買い物しやすくなり、商品の提案を聞きやすくなり、お買い物自体が楽しくなり、そして「またこのお店に来よう」と思える接客。それこそが弊社の目指す接客です。

御社の接客はいかがでしょう?本当にロイヤリティの高い顧客を生み出す標準を、仕掛けられていますか?